ネツトワークでは、能力のある人たちをどう捕まえるかが、ビジネスの勝敗に直結する。個人と個人を直結させるモバイルは、こうした企業の中の個人をスピーディーに捕まえることを可能にし、企業から個人へのパワーシフトを加速するだろう。こうなればもう、産業資本が個人を支配するような時代は遠い過去の話である。企業は自立した個人こそがほしいのであり、逆に言えばいま、「個の自立」が改めて問われている。そのためには、企業と自分を相対的にとらえ、自分が本当にやりたいことは何かというところに戻り、現実を直視する必要がある。過去の成功体験や、自分は大企業の社員であるということにこだわるばかり、アクションをとることのできないビジネスマンはいまだ跡を絶たない。これは、企業と自分を相対化して見る目を養っていないことによるものだ。企業は自らのバリューチェーンを再認識し、変革しようとしている。それと同様のことが個人に要求されているのである。
百科事典の話を敷術して考えれば、従来は出版されなかったり放送されなかったりした情報を、インターネットは交換したり共有することができるわけです。情報が多すぎると、その情報についての付帯情報も多くなって、利用するのが複雑になるかもしれませんが、この付帯情報を整理する場面には、テクノロジーの支援が期待できます。したがって、情報が増えていく方向については、新たな支援テクノロジーをつくり出すことによって問題が解決できると思われます。しかし、問題なのは、そもそも情報が欠落しているかもしれないということです。人類の歴史はメディアのいろいろな制限によって多くの情報を切り落としてきたと言えます。そこで、人間が本当の意味で知識や情報を摂取する空間は何なのか、コミュニケーションをする空間はどのようなものか、と立ち戻って、インターネットのテクノロジーで考え直してみると、いままで切り落としたものをもう一度復活させることができるかもしれない。復活とまではいかなくとも、これからはできるだけ切り捨てずに行けるかもしれない。そのようなところにインターネットによる情報空間の創造の、大きなポイントがあるのではないかと思います。
ネットトレーダーの人数と関連して米国のサブプライムローン(低所得者向け住宅融資)問題の余波と、それに伴うグローバルな株式市場の低迷は、「薄利多売」型のこの業界に、明らかに陰を落とし始めている(株価下落を好機と見て、新規に口座を開設する傾向もあるが)。日本の成熟度から考えて、少なくとも、この先の日本株に大きな成長を期待するのは難しいであろう。とすると、海外の株式や債券、為替に向かうことになるが、この場合、「自己責任での取引」としてはリスクが高すぎる、という理由がある。実際、以上の現実を反映するかのように、直近のネット証券会社の決算(2007年4月〜12月期)は、株式売買は低迷し、代わって投資信託販売が伸び、それが各社の増益を支える形となった。