書斎を持つことは、普通の本好きには到底手の届かぬ夢である。本がとめどなく増えつづけるのに、しかも移動書架の類を敬遠したいとなると、普通の本好きはいったいどうしたら良いのか?こういう問題について、建築家として明快なアドヴァイスができれば良いのだが、ぼくは自分自身の蔵書を持てあましている始末だから、これといった名案があるわけがない。ま、それでも普通の本好きの方に少しはお役に立つかも知れないことを記してみよう。
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一番常識的な対策は、家を建てる時に本の収納場所に大きくゆとりを見ておくことである。そうは言っても、最初から本棚をたくさんつくってしまうと、例の「安心して本を買いこむ」悪癖を昂進させるから、将来、本棚を置ける場所を空きスペースとして確保しておくに留めるほうが良いだろう。まとまった空きスペースとして考えられるのは地下室と屋根裏部屋である。地下室は湿気が強いので本の収納には適さない、と思いこんでいる方が多いが、壁面の防水を完璧にした上、空堀のようなドライエリアをつくって換気を確保すれば、ほぼ問題はない。